米海軍イージス艦アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フィッツジェラルド(Fitzgerald)8,232トン
フッツジェラルド(1995年就役)が
静岡県賀茂郡南伊豆町沖で
フィリッピン籍コンテナ船クリスタル号(29,093トン)
2682627
に衝突される珍事で7名の水兵が死亡する惨事が発生!
最新鋭のステレス艦Future_USS_Zumwalt's_first_underway_at_seaズムウォルト級ミサイル駆逐艦型ですが、建造費が高騰し僅か3隻で建造ストップ!
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦
USS_Halsey_DDG97
も、今後1万トン級に改装した【フライトⅢ】でステルス艦ズムウォルト級の代替となる位アメリカ海軍の主力イージス艦として電波吸収剤を塗装し、レーダーに補足されにくい艦橋形状になっているのは言うまでもありません!
イージスの意味は、ギリシャ神話のアテナが持つあらゆる邪悪を払い除ける盾!
防空・対艦。対潜水艦で絶大な防御力を持ってる事になってたけど、近距離の対艦能力にウイークポイントがあるって露呈しちゃいました!

航行中の船舶はAIS(Automatic Identification System)を装備し、互いに自分の位置を発信する事が義務付けされており、レーダー画面上に他の船を表示可能ですから衝突するのは余程の悪天候以外有りえませんが軍艦には位置が特定されるAIS発信する義務はありません!
スレルス性を高めた米軍駆逐艦がAISを使って航行中の位置を発したらステルスの意味が有りませんから
AISを受信しても発信する事はありえませんよ!
当然、公務中は夜間の航海灯も点けないので一般商船にとっては迷惑千万の船!
それだけに、イージス艦には一般船舶以上の注意義務や回避義務が有るって事ですよ!

AIS
の補足距離は水平線の74kmなので、現在衛星を使った広域AIS方式に変更中ですが当然衛星方式のAIS最新鋭イージス艦には搭載されている筈!

さすがに横須賀海軍基地へ入稿する場合は混雑する浦賀水道でAISを発信しているようですが・・・・・今回も発信寸前だったんでしょう!
米軍の駆逐艦は艦数も多く、夜間や悪天候時に他の船舶と衝突の危険性があった事に、平和ボケしてるマスコミも国民も気が付かなかった!(苦笑)

クリスタル号とすれば、AISの表示も無く、レーダーに映るのも遅れて見張りの警告で回避行動を行った様です。
しかし大型船は、簡単には舵が効きません!特にコンテナ船ともなれば重心も高いのでなおさらです!一歩間違えば横転した可能性も・・・・・・

装甲を薄くしてまで機敏な行動をする米海軍駆逐艦が素早く回避行動を取っていれば起きなかった事故ですが・・・駆逐艦フィッツジェラルドは、どうしたかっていうと、今だ航跡を開示してません!
1ヶ月前に着任した艦長は館長室で就寝中で負傷の発表はあっても、操舵者も開示してません!
まさか開示されてない自動操舵システムに任せて見張りも立てず航行中だったんじゃないんでしょうけど・・・
国際的なルールとして50mを超える船舶は航路を航行しなければなりませんが、軍艦には適用外!
また航行中の船舶には回避義務のルールがあります。
通常は、進行方向右舷(右側)に船舶をみる船舶に回避義務があるので、コンテナ船が後方135度以上であれば右側面に衝突されたフィッツジェラルド側に回避義務(右に避ける)があった!
もし、フィッツジェラルドの後方
135度以内から接近したなら、コンテナ船側に追い越し違反の非があるのですが、無灯火でステルス塗装でレーダーにも補足し難いAISも発しない米艦船の場合に追い越し義務違反の非を求めるなんて無茶だわさ!
今回の衝突事項で参考となるのは、2008年2月19日の起きた護衛艦あたご漁船清徳丸衝突事件です。
衝突寸前までイージス艦あたごは自動操舵で航行してました。今回は共に大型船なので
フィッツジェラルド・コンテナ船とも衝突直前まで自動操舵で航行中だったと思われます。

ケース1、フィッツジェラルドは横須賀基地に向けて自動操舵中だった!艦橋での見張りがAISで後方から接近するコンテナ船に気付いていながら目視、警告も発せず当然衝突回避行動を取らず航行、コンテナ船もAISにも表示されす灯火も点灯していないフィッツジェラルドを発見するのが遅れ、右に舵を切った回避行動を取ったが間に合わず右舷に衝突された!
クリスタル号衝突箇所
ケース2、12~13ノットので自動操舵で横須賀基地に自動操舵で航行中だったフィッツジェラルドはAIS・レーダー画面で後方から18ノットで接近するコンテナ船を認識していたが速度差を誤り通過出来ると考え自動操舵を切らず衝突された!
フッツジェラルド衝突
ケース3、フィッツジェラルドは自動操舵でコンテナ船の接近を認識しながら衝突はシステムで自動回避されると何もしなかった!接近して漸くフィッツジェラルドに気付いた
コンテナ船が自動操舵を切って手動で右への回避行動を取ったが、クロスポイントが若干右にズレただけで右舷に衝突された。
フッツジェラルド衝突ズーム
喫水線下の側面に亀裂が入り、水兵の船室に浸水、沈没を防ぐ為隔壁の防水扉を閉鎖した為7名が溺死する惨事となりました!
今回の海難事故、駆逐艦側の凡ミスなのか、それとも自動操舵ソフトのバグなのか?
死者も米海軍兵で原因も軍事機密に関わるのであれば真相は闇に葬られるでしょう!
東日本大震災では、ともだち作戦で物資の運搬等大活躍をして頂いたフィッツジェラルドの船員の死に哀悼の意を表しますと共にご冥福をお祈り申し上げます!